キリス・ウンゴルの道中、ゴクリが最後の葛藤を示す場面です。それはゴクリがスメアゴルに戻った瞬間ですが、同時にゴクリがスメアゴルを捨てた瞬間でした。
しかし、この時スメアゴルは何を思っていたのでしょうか。

指輪という重荷に苦悩するフロドを自らの生涯と重ね合わせて、その苦痛を憐れんだのでしょうか。
『憎い指輪』との決別を心に決め、それをフロドに託したのでしょうか。
『いとしいしと』から逃れられない自分とフロドの運命を悟ったのでしょうか。

優しく差し伸べられた手はしかし、一つの道を選択するために引っ込められてしまいます。この時ばかりは、サムの忠義が恨めしくてなりません。

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