あやめ野スミアル


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静かなる繁栄を享受したかに見えたであごるであったが、

根源への飽くなき探究心と絵やマゾムへの執着が禍をもたらすことになった。

根源と秘密を追い求めたであごるによって、あやめ野スミアルのお山は内部が掘り尽くされており、

土台となるべき地盤はその力を維持しえなくなっていたのである。


その時は西暦2003年4月9日に訪れた。

絵の改修に奔走していたであごるがキアダンの絵を新たに加えたところ、

スミアルを形成していたお山は大地に眠るが如く、その身を自然に任せるようにして崩れ落ちたのだ。

スメアゴル様は埋もれ、マゾム館の住人達も館もろともお山と大地の間に閉じ込められた。

そして絵やマゾムは全て、地の中へと消えて行ったのだ。


絶望に暮れるであごるであったが、休んでいる時ではなかった。

主スメアゴルを救い出し、マゾム館の住人を助け出さねばならない。

作業は困難を極めた。空洞化が進んでいたとはいえ、お山の土が崩壊したスミアルの上を覆っていたからだ。

しかし、いとしいしとを手にしたスメアゴル様は多量の土砂の中にあっても御心惑うことなく、

ただただであごるが救い出すのを待たれていたのだ。

崩壊の直前に食したふぐの毒にあたり寝込んでいたと噂する輩もいるが、そうではない。

埋もれた中でその身を動かせば更なる崩壊を招くと考えられた主は、であごるの発見を待って微動だにしなかったのである。

スメアゴル様の復活

その後直ぐにマゾム館の住人達も救い出された。

スメアゴル様がしきりに指輪族の安否を気になされ、そのご尊顔を土に押し当てて捜索なさった結果であった。

指輪族の一人が持つものに興味を抱いておられたからだと噂する輩もいるが、そうではない。

指輪族を一つにまとめている者を刺激することによって彼らを奮い立たせ、

絶望の内に光明を見出させたスメアゴル様の深謀遠慮であった。


こうしてスメアゴル様のもと命拾いした我々は、第二のあやめ野スミアルを造るべく一つにまとまったのだ。

第二のスミアルもやはりあやめ川沿いに建てられることになった。

であごるとその主スメアゴルがこの地に縛られているため、他へ移ることができなかったのである。

とはいえ、崩壊したお山の麓にまたスミアルを築く事は出来ない。

そこでであごるが選んだのはお山の反対側だった。そこは川からやや離れて釣りや茸狩りには不便だが、

斜面がなだらかでスミアル建設には適した立地であった。

広い平地にはお山から注ぐ雨水が溜まっていて所々が湿地と化しているため、

庭として確保できる場所は思いの他少なかった。

しかし以前のスミアルと比べて奥行きもある平面的な築造を可能にした立地は、

第二の禍を恐れるスメアゴル様を初めとするあやめ野スミアルの住人にとって理想といえただろう。


奥に見られる旧あやめ野スミアルの廃墟は教訓として在り続け、

第二のあやめ野スミアルはここに復活を遂げるのである。

故あやめ野スミアル俯瞰図(126kb)

故あやめ野スミアル各館案内(39kb)

 

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あやめ野スミアル全更改日誌


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